災害発生初期段階における自助・共助の意識醸成を目的に、住民主体の避難、救助、消火訓練を行い、また、見学者にも防災意識向上を図るため、11月17日(日)の秋晴れの下、「令和6年度 吉岡町総合防災訓練」が吉岡町緑地運動公園グラウンドにて実施されました。
各地で実施される”総合防災訓練”は、防災関係機関による訓練が主体となっていて、主催自治体の住民の皆さんが参加できる訓練が少ない傾向にありますが、同町の総合防災訓練は、地域住民の皆さんに防災訓練に積極的に参加してもらい、防災機関が救助や消火に来るまでの間、どのような行動が起こせるのかを体験してもらおうという”住民参加型防災訓練”であったようです。
多くの自治会関係者やその住民の皆さんが真剣に取り組まれている行動は、きっと災害時に役に立つ行動だと思います。誰かの助けを待つのではなく、自らの命、家族の命が守られた後、ご近所の皆さんと共に”命をつなぐ”行動ができることにつながっていくものです。
開会式
避難誘導・救助救出訓練
避難誘導
自治会参加者が、自宅や一時避難場所から避難所へ徒歩移動していきますが、自身による被害により、家屋・ブロック塀の倒壊で道路がいたるところで危険な状況となっています。このような場所での避難行動について、渋川広域消防署の隊員により説明がなされています。
救助救出訓練
こちらでは、陸上自衛隊第48普通科連隊による救出要領が説明されています。
倒木の下敷きや倒壊家屋の柱などの下敷きになっている際、どのように柱などを除去できるかを様々な資材を使用して学びます。
数班に分かれての訓練です。
大林議員も積極的に参加されていました。
消火訓練
倒壊家屋から火災が発生。災害が広範囲で起きているため、常備消防である渋川広域消防署隊の到着が遅れている一方、地域各所に配備されている吉岡町消防団が発災地点へいち早く到着し、消火活動が開始されます。
こちらの火災は初期段階であり、住民が消火器を持って消火活動にあたります。
初期消火できる火災の目安は、住宅であれば天井にまで火が達していない状態の場合です。天井へ燃え移っている場合は初期消火できませんので、ただちに避難して消防団、消防署隊の到着を待ちましょう。
こちらの初期消火班は消火が適切で火災が鎮火(想定では初期消火失敗の予定だった模様)。
吉岡町消防団第3分団は消防団車両での進入ができなかったため、徒歩での出動です。
1線2口での消火活動。
1線2口とは、消防団車両からホースを一本延ばしてきている途中に、分岐金具と呼ばれるホースを2つに分ける器具を取り付け、ホースを2本それぞれ延ばすことができる消火戦術です。
消火活動により火勢が収まった時、倒壊建物を検索していた消防団員が要救助者を発見しました。
今回は、がれきの下敷きであったため、資機材を使うことなく、がれきの撤去のみで要救助者を救出することができました。
要救助者を、毛布を使った応急担架で搬送するようです。
ダミー人形とはいえ、手を前に組ませるなどの配慮がみられていました。
給水訓練
自衛隊が所有する給水車から、各自が持参した容器に飲料水を配布しています。
インタビューを受けていた住民の方が、水はもらったけど飲むコップがあるといいですね、とおっしゃっていましたが、消防署の隊員さんが「そういった気付きをしてもらって良かったです。こうしたことがあることを想定して、非常持ち出しの一つとして紙コップを用意してください」と応えていました。
住民参加型訓練の大切さが垣間見れた瞬間でありました。
車両展示
渋川広域消防署のはしご車搭乗体験。
お子さん連れのファミリーに大人気でした。
お子さんにとって、消防に興味を持ってもらういい機会だったと思います。
訓練に参加されました皆さま、大変お疲れさまでした!